経営理念とは?
経営理念(社是・社訓とも言う)は、会社のトップ(社長)の夢や希望、理想・存在理由などを文字にして、表現したもので、企業ビジョンは経営理念をより具体化したものになります。
社会貢献・対消費者・対従業員・自己実現などに関する目的・目標などの内容になっています。
理念は、社長の経営哲学であり信念でもあり社風の源とも言えます。
企業は様々な考え方を持つ人々から、これらに賛同し共感する人材を集めことが必要で、理念や企業ビジョンは人材確保時における会社の『顔』となり、経営基本方針や経営計画の前提条件となるものです。
経営理念・ビジョン・経営方針・経営戦略・経営戦術の一貫性、整合性が取られていない場合には、従業員や取引先、社会全体からの信頼を失ったり、ビジョンを達成することが困難となったりする恐れがあります。
経営理念の具体例
たとえば、シャープ株式会社の経営理念と経営信条を、シャープ株式会社ホームページから見てみましょう。
経営理念
- いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術をもって広く世界の文化と福祉の向上に貢献する。
- 会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる。
- 株主、取引先をはじめ、全ての協力者との相互繁栄を期す。
経営信条
- 二意専心
- 誠意と創意
- この二意に溢れる仕事こそ、人々に心からの満足と喜びをもたらし真に社会への貢献となる。
- 誠意は人の道なり、すべての仕事にまごころを
- 和は力なり、共に信じて結束を
- 礼儀は美なり、互いに感謝と尊敬を
- 創意は進歩なり、常に工夫と改善を
- 勇気は生き甲斐の源なり、進んで取り組め困難に
シャープという会社は、パナソニックやソニーといった、大手の家電メーカーに囲まれてきました。
その中で、「世界初の電子レンジ」「両開き冷蔵庫」や「液晶ビューカム」といった、「規模を追わない」「独自の技術」でニッチに生き残ってきた会社だと言えます。
しかし、「液晶テレビ」の成功で、亀山工場や堺工場といった「規模を追いかけ」「コモディテイ化した技術」に走ったため、経営が傾いてしまいました。
経営理念は、経営に大きな影響を与える、という一例でした。
事業計画策定の留意事項
事業計画策定にあたって、最も重要なのは社長の思いである「経営理念」です。
収支計画は、社長の思いを数値に落とし込んだものに過ぎません。
経営計画と経営理念のある中小企業は多くありません。
しかし、経営計画と経営理念のない上場企業はありません。
まとめ
事業計画で一番重要なのは、経営者の「思い」である経営理念です。